マサライズ。
『ムトゥ・踊るマハラジャ』
シネマライズにて公開中

 だいたいインド人がなんと言おうと、「マハラジャ」とゆう言葉は威厳より愉快味を帯びている、と僕は思う。「まはらじゃ」だよ。ちょっと発音してみよう。

 さて、主演のラジニカーントとミーナの名前と「バカエンタテインメント」という予備知識しか持たずに見に行った「ムトゥ・踊るマハラジャ」は、期待をはるかに超えていた。すごかった。
 なにがすごいってまず、シネマライズが日本の映画館じゃなくなってしまっていた。いや、見てるのは日本人ばっかだけど。
 辺りをかまわぬ大爆笑と拍手が、全編にわたって観客から起こる(もちろんいつの間にか僕もその中の一人だ)。後半の「えええっ!!」な展開には実際「ほえええっ!?」なんて奇声まであがったりする。

 当然、シャイな島国民族日本人をそこまでさせてしまう内容も圧倒的。
 もう信じられないようなバカカットと効果の連続(長い股くぐりショットが印象的だ)。どこかマイケルジャクソン風味のセクシーマサラダンスがあり、ブルースリーも真っ青のカンフーのようなアクションがあり。さらにムトゥの妙なタオルさばきと鞭さばきが要所要所で決められる。それらが渾然一体となって、もうしつっこいぐらいに続く。
 とにかくインドの超スーパースター・ラジニが歌うわ踊るわ暴れるわ、ミーナは異常に色っぽいわ(横腹のお肉に僕は胸高鳴ってしまった)、そこにはもはや日本的判断力は働かぬ。

 3時間、気違いじみておもしろい。ラジニに巻き込まれ、飲み込まれてみたいならこの一本、高木ブーも平日に並ぶ(次の回を観に来ていた)、マサラ映画の決定版。
 ぜひ、このくそ暑い夏に生気を奪われている人に、おすすめしてみたい。

(アジサシ朔)


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