バボット、
だれもが拉致したくなる
危険な子。




 わたしは「共生する/進化するロボット展」において、かつてない新鮮さを持つロボットに遭遇したのでした。
 その名も「バボット」。何故なら「バルーン型ロボット」だから。
 ううん。ナイスネーミング。
 このバボットは、高さ3メートル程のグリーンの円柱状で、ナイロンみたいな生地の中に空気が入っています。こいつが突然「ぱかっ」と咲くように開いて「樹状」になって、根元部分からくるくるまわるという。
 まあそれだけと言えばそれだけ。
 でもそれだけ、なんて思う人は恐らくごく僅か。「なんじゃこりゃー」と近寄って、指でつついたら突然開いて廻り出された日にゃー、まるきりコドモ返りすることうけあい。開いた枝がつぎつぎとアタマを撫でてゆくのです。
 そんなふうに機械と、ロボットと、血の通わないものとかかわり合ったのは、わたしにとっては初めてだった気がしました。それは新鮮で、ふとサイバーパンクだけではない、何時か遠い先の世界を覗き見させてくれました。
 ロボットと人間は違うもの。だからロボットを「生き物」や「人間の代わり」として考えるのはわたしは好きじゃありません。わたしたちはまさに「共生する関係」だし、だから拡がりがあるとも思います。この企画はそれを見て触って「実感」できたいい機会でした。共生は楽しい。

(アメヤキミコ)


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