デスクトップクリエイション講座
いい加減なDTP概論(3)


『DTPによる印刷物制作アウトライン』
(2)各工程の作業

◆ 出力(製版フィルム、刷版プレート作成)
 出力といえば、この前までは印刷用製版フィルムの出力のことでした。最近では、いきなり刷版プレートを焼き付けてしまうダイレクト刷版(CTP)なんてのも実用化されつつあります。
 将来的には、印刷機にそのままデータを送り込むダイレクト印刷機が指向されています。(現在でも、小部数をそこそこの品質でよければオンデマンド型印刷機は実用されています)が、まだメインストリームは製版フィルムの出力。

 フィルム出力センターや、製版会社、印刷会社に渡った出力データは、イメージセッターと呼ばれるフィルム焼き付け装置で「印刷用製版フィルム」になります。
 そして実際に印刷する用紙を使って「本紙色校正」と呼ばれる見本刷を作り、デザイナーさんやクライアントが「校正」というチェックをします。

 DTPになって変わりつつある工程に、この「校正」があり、フィルムを出す前に「Aカラー」とか「ピクセルディオ」なんていう「高性能カラーPSプリンター」で出力して確認し、フィルムを出してからの「訂正・出し直し」をなるべく最小限に押さえていくのが流れです。(それほど厳密な色校正が必要なければ、「本紙色校正」も省いてしまい、訂正代や期間を小さくできます)

 そしてデザイナーさんやクライアントのOKを貰ったフィルムは「校了下版」として、いよいよ製造工程に回ります。

 通常のDTPとかデジタル・プリプレスといわれるのは、ここまでの工程ですね。


◆ 製造(印刷、加工等)
 ここは、DTPは直接関係ない話です。
 DTPというのは、
  Desk Top Publising (机上出版)
  Desk Top Prepress (机上製版)
という意味ですから(編注:「Desk Top」は「机上」にあらず! 机上に見立てたマックのファインダーのことだもんねえ。(^_^)(^_^) でも、ほとんどの参考書が「机上」って書いてある...。悲しい...)、フィルムを出すまでが仕事。
 ちなみにPrepress(プリプレス)とは、「印刷(Press)」の「前工程(Pre)」ですから、製版だけでなく「写植」とか、さかのぼってレイアウト、デザインまで含める場合もあります。

 そして出力されたフィルムで、印刷され、加工(折りとか中綴じとか)され、包装されて、お客さんの所に届けられ、おしまい。

 一般的にはDTPで括られるプリプレス工程は、主にこんな形で進められます。
 しかし、業者やデザイナーのプリプレス環境も多種多様であり、そこから「印画紙で出力して、色指定紙を付ける」とか、「レイアウトまで作って細かいトコは業者まかせ」とか、色々なケースが出てくるんですね。

 フォントの問題ってのが大きいとこですか。

 さて、長々と書きましたが、取りあえずは終わり。個別の問題は疑問があれば、お聞きください。ではでは。

(ada-ky)


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