モニタと印刷物の色の違い
●まな坊
モニターごとの個体差の「色の違い」って本当に驚きですよねぇ!
ぼくらは「じゃ、ちょっと濃いめにしよう!」ぐらいでいいんですが、印刷・デザイン分野では、いったいどうしてるんです?
Macのカラーシンク!でしたっけ?あれで補えるんでしょうか?それとも、やっぱりDICチップとかつけてやってるんでしょうか?
●ada-ky
モニターの色補正をキャリブレーションといいます。モニターの色温度が適正でなければ、色補正なんて、Mac上で出来る訳ないですよね。
もともと「透過色」と「反射色」で、色の見えかたが違うんですから、本当の事を言えば、刷ってみなけりゃ判らないってのが事実です(^_^;。
キャリブレーションは、ソフトだけでお手軽にやることも出来ますが、はっきり言って、全然合いません。
正確な色再現をするモニターで、モニター表示を計測するセンサを付けて、つねに補正を繰り返していないと、まず狂います。どこまで厳密さを求めるかにもよりますけど、自分のモニターで補正した通りに色があがってこない、というデザイナーさんを工場に連れてきて、キャリブレーション済のモニターで画像を開いてもらうと、大抵(木亥火暴!)してます(笑)。
色再現がでたらめなモニターで作業して、合うも合わないもないものです。困ったことですが、「正確さ」には、それに見合ったお金が必ず掛かります。
●きんさん
色の差以前にモニタに表示できても、印刷できない色があることをつい最近知りました。それもずいぶんと。
Painterというソフトで、印刷不可能色を出さないモードがあるのです。印刷ってホント大変ですねー。
●エリシオ
ここでしばらく話題になっている印刷とは、4色のインク(墨、シアン、マゼンタ、イエロー)の掛け合わせで刷る方法の印刷のことです。これですと鮮やかなオレンジ色やペパーミントグリーンは難しいです。
しかし、世の中には鮮やかな色の印刷も見られますね。あれは特色で印刷してあるんです。オレンジ色なら、オレンジ色のインクを作ってそれで刷る。
ですから一概にペインターの印刷不可能色が、絶対に印刷出来ないわけではありません。お金をかければかなり出ます。10色印刷機とか使えば結構モニターで見るイメージに近づけます。印刷立ち会いに行かされる人は泊まり掛け3日とかになっちゃうけど。
●きんさん
頑張ればインクで作れない色はないのでしょうか?
●エリシオ
だいたいは作れるでしょう。蛍光インクを混ぜたりすれば、妙に光った感じの鮮やかな色もできますし。
問題なのは色は作れても、人物や食品の写真のように複雑な階調&色調を持った画像を特色で印刷するには製版がとても複雑な事になるし、刷ってみなければ判らないとゆう事。時間とお金がかかります。
高級な美術書などは、CMYK以外に何色ものインクで印刷しているはずですよ。また、食品パッケージなどは、いかに鮮やかにうまそうに写真を印刷するかに命かけてます。(笑)
それから、特色印刷でも階調の少ないイラスト(アニメセル画風のとか、線画、色面構成風の)とか、文字や地色などの場合は比較的容易にできます。分版が簡単ですから。
●きんさん
関係ないですが、私は絵の具の混ぜ合わせで色を作るのがとても不得意。で、Painerのカラーホイールでお手軽に思った色を作れるのでとっても嬉しくなってたりします。
●エリシオ
今まで製作技術的なところで挫折していたクリエイターのイメージを自由にはばたかせてくれるのが、電脳画材の良いところですね。
*CMYK:インクの色モード。Cシアン、Mマゼンタ、Yイエロー、K黒
各々の色は混ぜると暗く鮮やかさが減少して行きます。
R G B:光の色モード。R赤、G緑、B青
各々の色は混ぜると明るくなって行きます。全部まぜると白。
(「談話床」での98.04.07〜98.04.11のやりとりを元に編集)
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