デスクトップクリエイション講座
ビデオとフィルムの色の違い


●きんさん
 も1つついでに質問。これも印刷というのか分かりませんが、ビデオ素材をフィルムに焼くときにも色の制限とか、元の色との不適合って出るのでしょうか??

●エリシオ
 一般的な場合を説明しますね。

・ビデオに録画した映像(子供の運動会とか(^^;))を、ポジフィルムにしたい
 4×5ポジ出力は、普通の印刷よりもずっとモニターのイメージに近く再現できます。ただし、厳密さを追求すると、4×5ポジ出力用にモニターをキャリブレーションし、出力センターの機械に合わせた画像データ作りが必要になります。比較的プロ用の出力形態なので、画像データはRGBなれど、ソフトは、フォトショップ必須。
 それから、35mmリバーサル出力なら、色の再現性は今一つですが、低価でお手軽にできます。

・写真のようなプリントを作りたい
 印刷で出にくい色が出る代わりに、銀塩プリントでは苦手な色もあったりします。モニターで見た通りに出力するのは、なんにせよ難しいものです。インクによる印刷とは違うので画像データはRGBのままで良く、フォトショップをお持ちで無い人でもOK。
 人物の画像のような、いろいろな色や階調が混ざった画像ならば、普通の写真程度には出ますよ。素人目には写真と区別つきません。
 注意すべきはCG特有の純粋な色のベタとか綺麗なグラデーション。時々意外な色合いやグラデーションが階段状になってしまったりする事があります。こんな場合は、少しノイズを入れてみるとか、色相を少しだけ変えてみるとかして何回か試行錯誤する事になってしまいます。

 それとも、フィルムで映像編集したいのかな? 特撮映画を作る計画でも? 鮮やかなビデオ映像をフィルムに落とすと、確か色が渋くなるはずですが‥‥。

●きんさん
 そんな計画はないです。すいません、ちゃんと質問の意図を説明しなくて。印刷の話を聞くにつけ、最近の特撮映画はデジタルからフィルムに焼いてるみたいだから、同じことが起こるのかなー?と、興味を持った次第です。
 ハリウッド映画なんかは、出来上がったフィルムは逆に鮮やかですよね。日本のTV作品との差は単に機材の差なのでしょうか? それとも知見面?

●亀山 晃
 TV映像作品の話が出てきたので、「特撮もの」を例にして考えてみますね。
 「ウルトラマンダイナ」の場合、本編、特撮は「16mmフィルム」で撮影されています。それを、「D1」フォーマットの「デジタルビデオ」に「テレシネ」しまして、そこから「CG」などを「ビデオ合成」します。TVの場合は「ビデオ」で納品する筈ですからここでおしまいの筈です。
 一方、劇場映画の「ティガ&ダイナ」の場合には、撮影は「35mmフィルム」で「テレシネ」のあとに「D1」によるビデオ合成を施し、そこから「キネコ」といって「35mmフィルム」に戻す(?)作業がはいります。
 ですので、劇場でご覧になった方はお分かりかもしれませんが、スクリーン上のCGシーンは輪郭が甘く感じるかもしれません。ちょうど、本編前のコマーシャルを流している時にTV CMがそのまま流れる事があるでしょう?あれとおんなじイメージです。

●まな坊
 出来れば‥‥出来ればで良いんですが、ここ辺りの話を、素人の私にも分かるように(いや、なんとなーくは分かってるんですが‥‥フィルムの16ミリとか32ミリとかは大きさってのは何となく‥‥)「D1」とか「キネコ」「テレシネ」というのを出来れば、解説して欲しいな〜!!
 ぜひぜひ、ご迷惑でしょうが(^ ^; お願いしたいです!!  m(_ _)m
 あ!ここにその説明載ってるよ!みたいなURLでもいいです!!

●亀山 晃
 そのうちに「解説しよう。」という訳で、しばらくお待ち下さいね。
#うーみゅ、いつ書こうかなぁ。
#あっ、その他の「専門家」の方がいいんですけど‥‥

(「談話床」98.04.11〜98.04.13でのやりとりを元に編集)


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