珈琲にこだわれ
〜 一度は自分で 〜

 コーヒーとはひとくちにいうものの、缶コーヒーとインスタントコーヒーとレギュラーコーヒー(自分で粉からいれるものと言っておきましょう)では全然違う。
 普段はみんな同じコーヒーとして飲んでいるんだけれど、もし飲み比べてみたら、あなたはこの違いに愕然とするはずだ。
 なんでそんなに違うかというと、明石家さんまじゃないけれど「豆がちゃう」わけですね。

 先日、勢いで、最近出た「無糖ブラック」という缶コーヒーを買ってしまったけど、なんだかコーヒーカスでいれたコーヒーみたいで、とても飲めたもんじゃなかった(最初から缶コーヒーに期待なんかしてなかったけどね)。
 たとえば、お米なんかにしても、タイ米だって「お米」には違いないわけだけど、それを使ったおにぎりを「米100パーセント」ったって美味しくないのと同じで、コーヒーだってコーヒー豆を使っていればよいというわけじゃない。
 また、同じ「ササニシキ」にしたって、産地によって出来も美味しさも違うように、コーヒー豆だって「モカ」を使ってるといったって、どんな豆を使っているか分かったもんじゃない。
 レギュラーコーヒーにしても粉になっているのを買ったのでは、もとの豆がどんなだったか分らないよね。

 別にコーヒーにそこまで目くじら立てなくたってよいわけだけど、もし珈琲が好きで、美味しい珈琲を飲みたいと思ったら、一度は自分で豆から挽いていれてみることをお勧めしますよ。

(アラビカ・ヒコ:1994.12)



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