珈琲にこだわれ

〜苦味と酸味〜
 珈琲を飲まれる皆様、皆さんは苦い珈琲と酸味の珈琲とどちらが好きですか? 私は酸味よりも苦味の方が好きなのですが、酸味の方が好き、という方もたくさんいます。
 さて、この「苦味」と「酸味」ですが、一般的には豆の種類で決まっていると思われがちですが、もう一つ、焙煎の深さという要因もあるのです。

 焙煎の深さに触れる前に、この豆の種類についても一応触れておきましょう。以前このコーナーでいくつかの豆の種類についてとりあげたものでいうと、モカは酸味系、ブラジルとコロンビアは中庸(苦味と酸味の中間)といわれています。それ以外でいうと、例えばキリマンジャロは酸味系、マンデリンは苦味系ということができます。

 焙煎の深さは、いくつもの段階に分けることができるのですが、ここでは浅煎り、中煎り、深煎りの3段階に大きく分けておきます。そして、この焙煎度合いが深くなればなるほど酸味よりも苦味が強くなっていきます。
 一般的には、酸味系の豆はこれを生かすように浅煎り〜中煎り、苦味系の豆は深煎りで焙煎されますが、そうでなければならないという理由は、実はないのです。まぁ、もっともスーパーやデパートの地下で売られている豆は、たいてい浅煎りから中煎りですけどね。

 それはさておき、酸味系といわれているモカだって、深煎りにするとコクも出るし、「酸味」というよりも後味が「すっきり」した味になるのです。もちろん豆の種類によっておいしく飲める焙煎度合いには限度がありますが、常識的な焙煎からちょっと外れた焙煎度合いで、いろいろな豆を飲んでみるのも、意外と新しい発見があって面白いと思いますよ。

(アラビカ・ヒコ)



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