暇つぶしにももってこいの
最近のイチオシ

(うそ)


『記者ハンドブック 第8版』共同通信社 1997
 知ってました?「記者ハンドブック」なんて本があるんですよ。これ、その名の通り、新聞記事を書くための用事用語集なんです。内容が常用漢字表とか、用字用語辞典なんてのは当たり前として、見ていても面白いものがたくさんあります。

 たとえば、「病名一覧」。どんな病気か説明はないけど、指定伝染病は一目でわかるし、使っちゃいけない病名なんてのもわかる。何よりこのページ一帯が小難しそうな漢字だらけというのがアヤシゲな雰囲気を醸し出していると思うのは私だけではないはずだ。

 「誤りやすい用字用語・慣用句」では、誤用はもとより、いかにもワープロ変換ミスです、みたいなものも挙げられているので、見ていて笑える。「悪(あく)が強い男」とかね。「笑顔がこぼれる」というのも想像すると、ちょっとコワイ。

 「記事のフォーム」には、「死亡記事の書き方」なんて項目もある。普段なにげなく読んでいる新聞の死亡記事も、いろいろ工夫や苦労があるんだなぁ、というのもわかるし、“有名人でなくても、社会的問題性や話題性があると判断したら、一般記事スタイルのヒューマンストーリーに仕立てる工夫も必要だ。”なんて書いてあるのもなんだか微笑ましい。

 もちろん、あくまで記事を書くためのハンドブックだから、日常の文章を書く場合には当てはまらないケースもあるけど、文章を書く時のハンドブックとしても使えるし、暇つぶしにももってこいだし、このハンドブックは一石二鳥にも三鳥にもなって、とっても「買い」だよね。

(今日坂 荘司)


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