樋淑み〜はの「サイエンスってば」
地質年代からみた
地球と人類



 地球の年齢は、46億歳。これを1年間に割り振ったカレンダーになぞらえて話してくれたのは、カール先生。でも、これではあまりにも時間の経過が一瞬に過ぎてしまい、実感が湧きませんよね?
 そこで、人生80年でなら‥‥?と考えてみました。

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 まず地球の一生は、大きくふたつに分けられます。それは「先地質時代」と現代も含まれる「地質時代」。地殻が固まっているかどうかということです。それで、この境目がだいたい35億年前。人生に換算すると、17歳くらい。なんか、分かる気もしますね。その前は、ただのドロドロ。自我の形成もまどろっこしい子供時代です。

 地質時代に入ると、そのほとんどを占める「先カンブリア時代」になります。造山運動やら火成活動やらがバリバリ起こる労働の時代であり、地球が地球になる年代です。
 その先カンブリア時代は「始生代」と「原生代」に分けられます。この境目が、25億年前。人間年齢でいえば、36.5歳。社会的な責任がかなり大きくなってくる頃、という感じですか?

 で、ここから始まる原生代とは「原始的な生物の時代」という意味です。何をもって原始的生物とするかという問題はありますが、およそ真核細胞をもった多細胞生物のはじまりというところでしょうか。生物らしい生物の登場もままならぬこの時代が、ついこのあいだって感じの6億年前まで続く‥‥って、その頃はもう、70歳じゃない。

 ということは、三葉虫の「カンブリア期」も、すでに余生。恐竜の「中生代(2.5億から0.65億年前)」が75.6歳から78.9歳。人類の時代である「第四紀(氷河時代=現代も含む)」は200万年前に始まるといわれているわけで、79歳11カ月と18日。ホモ・サピエンスは? 農・産業革命は? なんていったら‥‥。

 人類って、地球氏に来たお迎えなのかしら‥‥。

(樋淑 瑞葉)
(協力:佐瀬和義・地学団体研究会)


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