土曜日と日曜日の朝

 最近、子育てのたいへんさが、つくづくわかってきた。
 息子は、現在1年と6か月。一年前やっとオスワリができた頃に比べると、かなりうるさい、かなりわがまま、かなり乱暴なやつになってきた。ちょっと前までは、「オレは、子育てなどという言い方は嫌いだ。子供のいる生活をたのしんでいるのだ。」などと言っていたのだが、それはかなりまちがっていたのでした。

 なぜかというと、僕のカミサンは仕事をもっており、たいてい土、日が休みではない。したがっていままではハードなウィークデーの疲れを癒すために土日はおもいきり寝坊して昼過ぎまではなにがなんでも寝ていたのだが、早ければ7時、遅くとも9時には息子に起こされるのである。これがなんといってもつらい。「オレは、いつ寝坊すればいいんだー」と叫びたくなってしまうことがたまにある。

 そういうときは、うす目を開けて寝たふりを試みているのだが、立ち上がるまでは絶対ダメ。泣きじゃくることはもとより、手をひっぱったり、顔をはたいてみたり、鼻の穴に指を突っ込んだり、最近は、カミサンが教えてしまったらしいのだが、僕の最大の弱点である足のウラくすぐり攻撃までしてくるのである。

 ちなみに、このような攻撃にくわえ、手をひっぱっているときや顔をはたいているときは、「うわーん、ウワーン‥‥」などと泣いているくせに、足のウラをくすぐるときだけは、「こしょこしょ、こしょこしょ」なーんて言うので、よけい笑って目がさめてしまう。
 「わかったよ、起きりゃいんでしょ起きりゃ‥‥あーあ今日はずっとずっといっしょなんだね‥‥たろーくん。」

 こんなふうに僕の休日がはじまり、そしてまだ朝なのである。

(酒詰智史)


目次に戻る