都市社会楽のココロ

めとろぽりたん どり〜む

 電話のベル 待ったまま眠る
 ハードカバー枕もとに
 しわくちゃのシーツ抱きしめて目覚め
 夢の場面 たぐり寄せてる

 人恋しい時に話し相手は
 留守番電話のよそ行きの声で ‥‥消える

 都会の生活 仲間たちもいる
 欲しいものは すぐ 届く場所にある
 ないものねだりはない 見せつけられてるだけ

 睡眠不足
 夢に見た時代を 夢の中で 夢のように

 電車のドア 立ったまま眠る(手すりに もたれて)
 鉄のきしむ音に抱かれて
 (The Jampacked Train in the morning)

 人が溢れ 肌が近づくほど
 守るものが増えて 精神おかしくする

 都会の生活 いつでも賑やか
 日変わりプログラム たいくつ知らない
 ぜいたくなんていわさない おぼれているだけ

 発車のベル 慌てて目覚めて
 人込みホーム 掻き分け急ぐ

(C)hasmi toshihito 1991


 1993年秋発表のファーストソロアルバム『都市社会楽序説』収録作品。その正月に先行シングルA面として発表。初演は、1992年5月30日の『スノッブマガジン』創刊ライブ。
 ムーンライダーズの復活コンサートで聴いた「犬にインタビュー」のあまりのカッコ良さにしびれて「あーゆーいきなり歌から始まるのっていいよな」と思って作ったものです。ですから土屋昌巳さんの「スターライト・シャワー」(コーヒー「マキシム」'84CMソング)に似ているという声は受け付けません(笑)。ただ、やっぱり似過ぎている箇所もあるので(^_^;、次に演奏するときは、改定するかも知れません。(笑)
 アルバム収録バージョンでは、尊敬する大谷昌功氏にサックスを吹いていただきました。中盤以降のフリーフォームプレイは、アヴァンギャルド大谷の真骨頂? 録音中、私は嬉しくて嬉しくて笑いが止まらなかったのですが‥‥、実はカッ飛び過ぎていて、ミックスでディレクターの井上氏を相当困らせてしまったのでした。(^_^;
 最初のベルは、目覚まし時計のつもり。電話を待ちながら、目覚ましに起こされたってコトです。間奏は、ドラムとギターが踏み切りの音、サックスが窮屈感を表しています。エンディングは一応、発車のチャイムのつもりでしたが、「ア・ハード・デイズ・ナイト」へのアンソロジーか?と人に言われると、都合がいいので「そうです」と出任せを言います。ティンパニーのフレーズは、賛否両論でしたが、私はこれがやりたかったんです!
 飯田橋の「ガスペ」という店で、ひとりランチをとりながら書いたことを覚えています。実際、非常に睡眠不足だったのです。

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