都市社会楽のココロ

おるでなり(こだわりのアリア)

 そう堅いこというなよ、そう。
 もう飲もう。
 なんていわれ 言葉さえぎられて
 笑い話にすり替えられて
 判ってる おかしいのは僕だ
 何でもないこと 他人には

 口を開けば、なぜなぜ? え?なぜ?
 諍いの種しか出てこない
 セーブすれば 他人行儀といわれ
 黙り込むか/卑屈になるか
 「普通の会話がなぜできない」
 まるで、ゴダールの台詞だな

 何をするにも つまりは/だから
 理屈でケリをつけたがるのか

 堅いこというなよ、そう。
 そう堅いこというなよ、そう。
 もう、堅いこというなよ。

(C)hasmi toshihito 1994


 『臨床都市社会楽〜T氏の症例』事実上の第二部(B面)1曲目。ライヴでの演奏は1996年3月24日の「HASH-MIX, FREEZE」のみ(1999.01現在)。
 「おるでなり=ordinary」というわけで、前作『都市社会楽序説』収録の「のーまる」からの流れになる「普通」をテーマとした小品。言葉遣い/状況設定的に、自分の作風を壊そうという試みがあったので、かなり違和感がある。(^_^;
 猫も杓子も「アンプラグド」と化していた当時の風潮に対抗して、サンプリングしたアコースティック・ギターのカッティングを主体とした「アンチ・アンプラグド」を狙った。ぎくしゃくした7拍子のフォークと唐突な弦楽四重奏風パート、そしてSEをつぎはぎした構成で「フランケンシュタイン・フォーク」と名付けている。(<バカ)
 かなり大胆な使い方をしたSEは、詞の一節とサブタイトルでわかる人にはわかると思うが、ある映画からの拝借。朗読パートの詩も、この映画で引用されている詩を勝手に和訳したもの。(^_^; この組み合わせなら、イメージ的にはフォークではなくコルトレーン辺りなのだろうが、日本の実情はフォークだろうと‥‥。(笑)
 かようにふざけた姿勢で作った作品だが、メロディに無理のない変拍子、弦楽パート、そしてSEのハマリ具合にはかなり満足している。ただし「酔っ払い風」にした歌唱法は明らかに外してます。(^_^; 女声の朗読はスペシャルゲストのタマオさん。実力の差が如実に出てます。(T_T)
 短い曲なので「シリアス」で寝てしまうと、聞き逃してしまう。(笑) ちなみに僕は『気狂いピエロ』で寝ちゃうような人間です。(^_^;
コーナートビラへ