都市社会楽のココロ

She has good suspension

 街角に陣取る僕たちの視線は
 行き交う天使たち(エンジェル)を選り取り品定め
 内容(なかみ)より場数が勝負のキメどころ
 旨いのに当たれば それは大金星(ボーナス)

 所詮遊びと割り切ってはいるけど
 今もどこかで心替わりを恐れるよ
 恋愛の決め手は
 She has good suspension
 それがすべてだね

 あの日の想い出に髪をひかれても
 それじゃ今日の楽しい生活にはならない
 マニュアル通りにゲームを進めて
 経験値を上げて仲間に差をつける

 心の奥には理想はあるけど
 深みにはまって傷つくことを恐れるよ
 She has good suspension
 僕らの恋愛哲学(フィロソフィー) スタンスが肝心

  独りの夜 袋小路
  抜け出すため手を貸して

 僕たちの会話は 腰の切れ最高
 そんなネタばかり
 恋愛の決め手は
 She has a good suspension
 それがすべてだね

 しなやかな彼女
 ここは僕らのテリトリー
 見せかけだっていいじゃん
 孤独になるよりは

(C)hasmi toshihito 1989


 1992年5月30日の『スノッブマガジン』創刊ライブ3曲目に演奏。1993年秋発表のファーストソロアルバム『都市社会楽序説』にも収録してあるが、実演は一度きり。恥ずかしいから。
 ひとつの曲にまったくタイプの違う詞をつける、というのをやってみようということで、生まれた。もうひとつは「もしか何か悩みあったら打ち明けてよ」と唄う「トーク・トゥ・ミー」で、ここまで軽薄な作品にできたのは、その試みの振幅の成果だと思う。実は「独りの夜〜」の一節は、もともと「トーク〜」用に書いたもの。これを加えることで、少しは悪意が薄められたのでは‥‥。(^_^;
 といいつつ、レコーディングではオープニングからその悪意が大全開。当時、駅前辺りで「おガナリになられていたナガブチな方々」をシミュレート。私はゴミ袋の中の空き缶をドラムスティックでヤケクソに叩いている。
 本編は、EW&Fか筒美京平先生か、というところをベースに試行錯誤。ファルセット・コーラスやハンドクラップスに、かろうじてその面影があるか? また、間奏でヒップ・ホップのまねごとなどもして遊んでいる。当時は隠していたが、頭の中ではブレイク前のSMAPが踊っていた(笑)。
 後半部で無闇に盛り上がる井上のギターもかなりイッちゃっているし、打ち込みのハイハットワークなども結構細かく頑張ってみたのだが、いかんせん、二度と演奏する勇気の湧かない作品ではある。(^_^;

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