都市社会楽のココロ

Tad are taiya

 何も考えたくないや。厭、厭。
 悲しみなんて知らないや。否、否。
 このまま、慣性の法則に身を委ねて
 闇に消えたいや。

 鍵を開けたら、暗く静かな部屋。
 冷たい部屋に帰りたくはないや。嫌、嫌、嫌。
 このまま、明日のない温もりに身を委ねて
 波に消えたいや。

   爛れたいや‥‥‥
      爛れたいや‥‥‥ ここで

 電子にエレクトされて硬直し
 わが身を抱きしめ独り震えてる。
   イヤ、イヤ、イヤ、イヤ。
 このまま、冷たい床の上へ身を委ね
   石になりたいや。

 抱きしめ、抱きしめ、抱きしめ、
    抱きしめられて
 溺死で、溺死で、溺死で
    歴史消したいや。

   爛れたいや‥‥‥ ここで
 爛れたいや‥‥‥ ただ爛れたいや‥‥‥
   もう 爛れたいや‥‥‥

(C)hasmi toshihito 1993


 『臨床都市社会楽〜T氏の症例』の二曲目。初演は1994年8月27日の「都市社会楽の夕べ」。
 これはもう、なんというか、全編だじゃれ大会としかいうことがないです。「ただれ」じゃなくて「だじゃれ」‥‥って、ここですでに絶望的なオヤジギャグだな‥‥。(^_^;
 曲調は、もろストーンズのパロディで、それじゃぁ内容はSEXにしなきゃという義務感(笑)で書くわけだが、蓮見が書くとSEXもこんな風にしかならないという‥‥。(^_^; というより、社会的な視点で、今、SEXをテーマにするなら、ズバリ「セックスレス」しかないでしょう!ということ。ちょうどこれを書いた頃、「現代人の精子の数が減少している!」とか騒がれ始めたのだと思う。
 アルバムに収録されたものは、少しテンポが速すぎて、いまひとつルーズな感じがだせなかったのが反省点。「電子にエレクト〜」のところに無闇に割り込んでくるランダムな電子音とラヂオヴォイスは「たんなるストーンズのパロディにはしないぞ」という、ちょっとした抵抗(笑)。ギターとコーラスは井上竜夫師匠で、コーラス録りの時は、顔を真っ赤にして気合い入れまくってくれました。この内容にして、この気合いの入ったコーラスというギャップが、かなり笑える。
 

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