すべての家族に捧ぐ
『星獣戦隊ギンガマン』
(テレビ朝日系/日曜朝7時30分)
スーパー戦隊シリーズは、バンダイの商業戦略に縛られるせいか、あくまでもバンダイの玩具を売るための番組といった側面が否めない、いわば中身のない特撮シリーズという評価がありました。しかし。ギンガマンには愛があふれている。制限された内容の中で、近年まれに見る頑張りを見せているすばらしい番組なのです。
戦隊物のテーマといえば、正義、友情、勇気が付き物ですが、ギンガマンはその上にもう一つテーマを掲げました。それは何か?家族愛です。
作品上の設定でそれが明言されている訳ではありません。作品内で活躍している戦士たちは、ギンガレッドであるリョウマとブルブラックであるヒュウガが兄弟である以外は赤の他人です。しかし、彼らは長い間共同生活をするうち擬似家族としてのまとまりを見せはじめました。以下、解説すると、
・ブルブラック ヒュウガ 父親
・ギンガブルー ゴウキ 母親
・ギンガレッド リョウマ 長男
・ギンガグリーン ハヤテ 次男
・ギンガピンク サヤ 長女(第3子)
・ギンガイエロー ヒカル 三男
となります。
リョウマはヒュウガの留守中長男らしく悩みながらも一家を支えてきました。ゴウキはみんなの偏食を治すべく夜なべして手料理の研究に努力を惜しみません。ハヤテは中間子らしく少し引いた視点からみんなを支えています。サヤとヒカルは任務はこなせどまだまだ未熟、兄弟ゲンカも絶えません。そして帰ってきたお父さん、ヒュウガは、大草原の小さな家のパパよろしく兄弟たちを時には叱り、時には諭して一家を支えはじめました。
そう、ギンガマンは、家族の絆が希薄になったと囁かれる昨今、改めて家族を見直そうというテーマを背負った作品なのです。ですから私は、この作品をみんなに見て欲しい。そして思い出して欲しいのです。父親や母親、子どもの有るべき姿を。
(ヤマモトキョーコ)
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