十箇条 ][ 声明文 ][ 画 像 ][ 抄 訳 ][ 背 景

「道楽主義宣言」抄訳

●この宣言は、「道楽」という言葉の本来の意味を再確認、復権させることを目指し、ひいては道楽文化普及の指針とするものである。



「道楽」の定義

●個人を否定する権力の思想により、放蕩と同様の意味に変えられてしまったが、「道楽」とは本来、「道を解した楽しみ」「通すがら楽しむ」という意味である。

●単なる「オアソビ」ではなく、真剣に取組むことによって楽しみを得ようとする、精神活動と呼ぶにふさわしいものである。

●個人の自由意思によるものであり、自己の責任の下に行なう行動である。



道楽主義の姿勢
「たかが道楽、されど道楽」


●道楽主義は「独り善がりな芸術志向」や「馴合いのアマチュアリズム」などというものを関知しない。その精髄は精神活動におけるヒエラルキイを無化することにある。

●どんな創作活動、研究活動も、その本質として上下貴賎を隔てられるようなものではない。無論、その質には優劣はある。

●才能というものは誇れるものであるが、どんな才能も人の価値を決定づけるものではない。

●道楽だという自覚を持って、真剣、謙虚、洒落心を兼ね備えていることを「道楽主義」の基本姿勢とする。

●道楽主義者は、自己の責任を意識において行動する。ただし、必しも「良き人」であれということではない。反社会的行動が必要となる場合なども、その行動がおよぼす影響を予測した上で意識的に実行しようということである。どんな時も誇りをもった確信犯であろう。さらに独自性と洒落心があれば、一層理想的である。

●道楽主義者は、時には主義を凍結するのもよい。自由を求める手段によって不自由になるほど、愚かなことはないからである。

十箇条 ][ 声明文 ][ 画 像 ][ 抄 訳 ][ 背 景